「果てしない大空に──どこまでも───行ける気がしたよ───」
その日の放課後、課題曲"大空に手を広げて"の三パート合唱の部分を歌っていると、指揮をしている三上君が顔をしかめた。
「そこ、女子。喋らないで」
まっすぐ指したのは、普段から派手なグループの女子だった。
案の定、舌打ちが聞こえよがしにされる。
三上はため息をついたが、練習再開と言った。
「アルト、フォルテ気にして!」
「ソプラノもう少し声張って!」
続けざまに飛ぶ注意に、みんなの士気が下がっているのを感じた。
(いけない)
どうしよう。何て言えば練習に熱意を向けさせられる。
(休憩を挟もう、とか)
自分の考えに自分で首を振る。歌詞係に立候補しただけで特に功績を上げても、仕切ってもいない私が言ったところで誰も聞かないだろう。
その日の放課後、課題曲"大空に手を広げて"の三パート合唱の部分を歌っていると、指揮をしている三上君が顔をしかめた。
「そこ、女子。喋らないで」
まっすぐ指したのは、普段から派手なグループの女子だった。
案の定、舌打ちが聞こえよがしにされる。
三上はため息をついたが、練習再開と言った。
「アルト、フォルテ気にして!」
「ソプラノもう少し声張って!」
続けざまに飛ぶ注意に、みんなの士気が下がっているのを感じた。
(いけない)
どうしよう。何て言えば練習に熱意を向けさせられる。
(休憩を挟もう、とか)
自分の考えに自分で首を振る。歌詞係に立候補しただけで特に功績を上げても、仕切ってもいない私が言ったところで誰も聞かないだろう。

