MEMORIZE BLUE

「白紙か未提出、6票か…予想より多いな。今年のクラスは、合唱コンにあまり関心のないクラスかもしれない」

「そっか…上位から取ってまとめていけばいい?」

「基本的には。ただ、俺も一応全部に目を通しておくよ」

諒解したものの、佐島の歯切れの悪い口調が気になった。

「今年も面倒なことになりそうだな」

ぼやいた声に同意した。

「とりあえず今日の放課後、発声練習だけ始めて様子を見よう」
「え、もう?」

曲も作っていないのに。

葵はそう思ったが、佐島の考えは違った。

「課題曲だってあるだろ」
「…あ」
はっとした葵に微笑むと、佐島は突如声を張り上げた。

「今日の放課後、合唱練習に集まれる人何人いる?」