休日。

私は街に来ていた。

「ん~……」

雑貨屋。

商品を手に取って少し考えて棚に戻す。

これをさっきから色んなお店で永遠繰り返していた。

「このお店じゃ可愛すぎるかなぁ」

グルっと店内を見回す。

ピンクと白で統一されためちゃくちゃファンシーなお店。

フリルやリボン、ハートや星モチーフで出来た雑貨が所狭しと並んでいる。

つい最近オープンしたみたいで入ってみたけど、千歳にはちょっと可愛すぎるかもしれない。

「う~、悩む……」

明後日は千歳の誕生日。

今日はプレゼントを選びに買い物に来ていた。

でも、ピンと来る物が全然見付からなくて、さっきから唸ってばかりいる。

「明後日、千歳と会う約束してるし、もういっそその時に本人に選んでもらうか?……でもそれじゃなぁ」

手に取った、パカッと開くとオルゴールが鳴るジェリーボックスを棚に戻し、私は最終手段も視野に入れてこの可愛すぎるお店を出る。

「お待たせしました」

女性でごった返しているお店に入るのが恥ずかしい、とお店の外にあるベンチで待っていた課長に声を掛けた。

「ああ、もういいのか?」

本を見ていた課長が顔をあげる。

「はい。長々とすみません」

「いや、良いよ」

「では、行きましょうか」

私たちは並んで歩き出す。