三本串

店につき 支度を始める 今日はいつも通り６時の開店に間に合わいそうだ


パタパタ


内輪が音をたてる


『よし 開店だ』


『はいよー』


のれんをかける文太


『わっ！』


同時に 佐々木が従業員をつれ 入ってきた

『文太 頑張ってるな 今日は８人だ』


『お 早いな 奥座って』


良雄が 奥のボックスに案内する


焼き鳥 ビール 焼酎を運びカウンターに戻る

続々と他の客が匂いに誘われ入ってくる


『良雄 大変だったな しっかりせいよ』


ボックスから一人抜け出し佐々木がカウンターに座る


『お 今日見舞いいったんだって？ ありがとな はい これ』


そう言って生ビール二つを佐々木の前に出した。


『バカヤロ 気使うなって 二つも 要らねぇよ』

と 一つ 良雄に返す


『何言ってんだ 後ろのボックスに注文入ってんだ 二つ持っててくれ』


『な 何？！』


文太が後ろで


『あっ タコって 佐々木のおじさんのことか！ 父ちゃん昼言ってたぞ』


本日のバイト 決定！

店は常連の笑い声で 響いていた