私達はお互い立ち尽くした。
私はコールセンターでバイトしてるはず。
蓮さんは工場で夜勤中。

それが目の前に医師と看護師として立ってるんだから。

「うん。お前ら知り合いか?」

ここは全力で否定しておかないと。

「違いますよ。初めまして。藤本瑞紀です。私大学院に通ってるので週末と夏休みとかしか来ないですけどよろしくお願いいたします。」

あたかも初めて会ったかの様に装った。

「初めてまして。4月からここの病院に赴任して来ました。今泉蓮です。よろしくお願いします。」

蓮さんも同じ様に装ってくれた。


蓮さん医者だったんだ。
何で本当の事話してくれなかったんだろう。
私も嘘付いてたから何も言えないけど。

長い夜になりそう。
そう実感した。