「確かに私は自分で切りました。でも死ぬ気はありません。切って血を見ると心がスッキリするんです。ただそれだけです。」


本当にそれだけ。死ぬ気はない。
ううん。こんな事で死ねるとは思ってもない。

「それが病気なの解ってるんだよな。」

佑樹君、私が看護師でもあり臨床心理士でもあるの解って言ってるよね。
医療人として考えたら私の心理状態治療レベルだよ。
安定剤飲んでカウンセリング受けて・・・。


「解ってます。私、病気なの。もうどうでも良いんです。こんな人生。」


そう・・・。

蓮が亡くなってから私の人生は終わったのも一緒。
どうなろうがもう良い。


「瑞紀。それでも医療関係者かよ。瑞紀だって見てきただろう。生きたくても生きられなかった人。」




私は20歳で看護師免許を取得した。
その後、心理学部の大学に編入したから大学・大学院時代救急外来で看護師のバイトしていた。

救急外来で沢山の死に遭遇した。
だから解ってるよ。

蓮だってそう。
あの時、私が変わりに病気になって死ねば良かったんだよ。