「メグ、おはよう!」
「凛!おはよう!」
学校に着いて、私が教室に入るといつもの声が聞こえた。
この子もまた、太陽みたいな笑顔で、笑いかけてくれる。
この子は親友の水瀬凛。
中学からの親友だから、ちゃんと覚えてる。
まぁ、記憶がないところは覚えてないんだけどね。


凛は結構サバサバしてて、明るい美人さん。
そして・・・
「また今日もラブラブですねぇ‼︎」
恋バナが大好き。
「そ、そんなことないよ!ただ手繋いでしゃべってただけだから!」
私もこうやって、凛と恋バナするのが大好き。

「『ただ手繋いでしゃべってただけ』じゃないでしょ‼︎メグの彼氏は、学校のアイドル、谷本先輩だよ⁉︎ほかの女の子からしたら、うらやましいかぎりだよ‼︎
・・・あー、でも、今日みたいなのは、控えたほうがいいね。女の嫉妬は怖いからね。」
「うっ、そ、そうだけど・・・」

でも、たしかにそうなのだ。
先輩はものすごくモテる。
廊下を歩けばときめかれ、優しくすれば告白され、街を歩けばモデルのスカウトをされる。

・・・そのくらいかっこいい。

おまけに優しくて、高身長。頭も良くて、運動も出来る。

完璧な人なんだ。

それに比べて、私には何にもない。
美人じゃないし、勉強も運動も平均くらいだし。
そんなに優しくないし、可愛気もないし。
・・・それに、先輩のこと忘れちゃうし。

だからこそ、私は時々心配になる。
私なんかが彼女でいいのだろうか。
いつか愛想つかされて、私なんかとは間逆な完璧な彼女を見つけて、幸せになるのではないか。

・・・そもそも、先輩は私なんかのどこが好きなんだろう?

「メグ、今、『先輩に私はつりあわない。先輩は私のどこらへんを好きなんだろう』みたいなこと思ってるでしょ。」
「なっ、何で分かったの⁉︎」
「顔に書いてある。・・・あのさ、メグはちゃんとかわいいから。大丈夫。ちゃんとつりあってるよ、先輩と。
それに、メグの事好きじゃなかったら先輩はメグと付き合ってないと思うし。
だから、自信持ちな!」

・・・あぁ、凛ってすごい。
私の不安、凛の言葉で全部消えたよ。

私、自信持っていいんだよね。

「私、これからも、先輩の彼女でいていいんだよね。」
「あったりまえでしょ!」