「あれ、ユリと一緒じゃん」


「あ…うん、よろしくー」


ミクが来た。私は嫌悪感を奥尾にも出さずに、何でもないような顔をして挨拶をする。


ミクとは去年、沢村千尋(サワムラチヒロ)、利梨涼花(リナシスズカ)との四人グループで一緒にまわっていた。といっても私はどちらかというと、チヒロと仲良かったんだけど。


私は、ミクの事が怖かった。


「チヒロは3組でスズカは6組らしーよー」


「へぇ、見事に別れたんだね」


そんな話をしながら、一緒に教室に入る。その間も、内心はビクビクしていた。


 はぁ、ミクとまわることになりそう…。他に仲いい人いないし。


ため息が出そうになるのを寸でのところで我慢して、自分の席につく。


教室の中は、どこかピリピリしていて、みんな緊張しているようだった。