拓也の言う通り、俺は変わった。
中学の時は、
そこそこ勉強も、できる方だったし、明るくてよく笑ってた。
もちろん校則なんか絶対に破らなかった。
あっ。ときどきしてたか………/////
それにそこそこ友達も多かったし、女子にもよくコクられてたっけ
でも、俺は………変わった。
髪も染めて、口もあんまり聞かなかった。
理由は、簡単。
家族だ。
俺の父は世界的な名医で、母も、有名な女医。
兄達も、まだまだ、新米だが、いい腕前と噂の医者。
祖父も大学病院の、医院長。
祖母は祖父の働く病院で看護師長をしている。
このとおり、俺の一家は皆………いや、今までもこれから
もきっと医療系に、関わる家族なのだ。
でも、俺は医者なんか嫌だ。
医者なんか、ただの気難しいだけの人だ。
頭が硬い。
俺は親父みたいには絶対になりたくない。
俺はピアニストになりたいんだ。
ピアノは自分の心を言葉にしなくても、表せることができる。
人に心を届けられる。
そんなピアノを美しく弾くピアニストはほんとに凄い。
だから俺はピアニストになりたいんだ!一流の。

