[第27回市立桜宮高校入学式]






「鈴華〜笑って〜はいチーズ」




「わぁ〜よく撮れたわねぇ」




「あぁ。よく取れたな」






私の写真を見て、微笑む父と母。









アユザワ リンカ
鮎沢 鈴華(15)
私は今日、ここ、私立千聖高校に入学した。













「おとーさま!おかーさま!」




大声で叫びながらこちらに向かってくるのは妹の





アユザワ リカ
鮎沢 莉華(14)私立藤宮学園中等部2年。
明るくて。かわいくて。勉強も運動もできる。








「莉華〜そんなに大声出すなんて、はしたないわよ笑」



莉華を、軽く注意しながらこちらに向かってくるのは姉の





アユザワ チカ
鮎沢 千華(19)青空学園付属大学1年生。
美人で、可愛い、頭良くて、なんでも出来て、モテモテな姉。






私とは別人だ。




「鈴華。入学式おめでとう。莉華もついに高校生ね!」





ニコリと笑って語りかけてかる。


鬱陶しい。その笑顔が嫌いなの!!




「ちょっとぉ〜千華お姉ちゃん!何してるのよ〜」







「何って……」








「こいつが話すはず無いでしょ!話しても無駄無駄!千華お姉ちゃんが変に見られちゃう!笑」







「…………」







家は壊れてる。崩壊してる。