そもそもこんなに失礼な奴に敬語を使う必要はない気がする。

一応、今もバイトの時給は発生しているから敬語の方がいいと思っただけで他意は無いのだから。


「……そんなに見なくても、別に怪しい者じゃないよ。この制服もそこの北高の制服でしょ?
年齢を聞いたのはあなたが同い年なら敬語で話さなくてもいいかと思っただけで他意はないから、そんな目で見ないでよww
それと、一服していい?ww」


にこりと笑顔も貼り付ける。

全く、今どきの子って自意識過剰なとこあるよね。誰もあんた自身なんか気にしてないってのww

私も今どき子だけどww


「……お前良く人見てんだな」

「……?ありがとう?」


褒め言葉か分からないけどとりあえず礼をいう。

煙草をテーブルに出しても怒られないってことは吸っていいってことだ。


男がどこからともなくガラス製の重そうな灰皿をテーブルの上に置く。


あれ、ライターがない。まさか置いてきたか。

煙草を咥えていたのを、箱に戻そうとすると男がZippoを渡してきた。


なるほど。さっきの「良く人見てんだな」は少し皮肉も入っていたらしい。


「ぷははは!あんたもなかなか性格悪そうだねぇww」


男はニヤリと笑うと封筒から書類を取り出した。