両手で左側の片方を開ける。


「あらら………」


普通に空いたし!そんなに重くなかったし。なんなんだマジでww


中を覗き込むと、これまでコンクリートむき出しだった壁が一変、ちゃんと壁紙が貼られているし、床も足音が鈍くなるような柔らかいカーペットが引いてある。

高級感すら漂う部屋の真ん中には高級そうな黒い長ソファが向き合ってあり、その間にガラス製のテーブルがあった。

照明もスポットライトみたいに何個かで部屋を照らしているんだけど、そんなに明るくない。カラオケみたいな、顔は認識できる程度だ。

それがまた高級感を出しているのかもしれない。奥にはまだ扉が1つあった。ここは普通で言えば玄関みたいな所になるんだろうか。


「すみませーん」

この部屋には誰もいないことは確かだけど、これ以上勝手に入るわけも行かないので、声を張り上げる。

よし、あと2回呼んでみて誰も出てこなかったら帰ろう。よし。


「すみませーん」


あと1回。

「すみま「うるせぇ。1回呼べば聞こえてるわ」


奥の扉から出てきたのは男。いや、まだ男子?って年齢か?私とそう変わらない歳のように見える。

髪の毛が濡れていて、上半身裸で肩にタオルを掛けている。

まだ若いのにオッサンスタイルww


てか、初対面でうるせぇはないと思うけどね。まあ、このくらいで怒るのも面倒臭い。

さっさと用事を済ませて、帰ろう。