チャリを漕いで10分。近くに着いたので適当に道の端に止める。


住所は深町、別名裏町と呼んでいる所だった。昔は違法カジノやスナックなどで盛っていたらしいけど、今は錆びれている。


階段……階段……。

あ。あった。

階段は地下に続いているみたいで、電気はないし、もう随分外も暗いからか1m先から見えない。

うわー、ちょっと怖いんですけど。何このホラー感。やだわー。

スマホのライトで足元を照らして、降りていく。


階段を降りきると長い廊下が。そこには流石に壁にポツポツと電気が付けてあって、足元がギリギリ見えるくらいに明かりはあった。

良かった。一応、電気が灯ってるってことは人が出入りするってことだから。

スマホで時間を確認すると、7時半過ぎ。

この廊下どこまで行ったらゴールなの?廊下はずっと一本道で、他に扉も何も無い。


そこから感覚的に500mくらい行くと、やっと扉が見えてきた。


「………いやいやいや、なんの冒険が始まるわけww」


鉄のいかにもゲームのボス感漂う、両空き扉。

これ、開くの?


とりあえず、ノックをしてみるけど、見た目通り分厚そうで、中まで聞こえている気がしない。

………開けちゃうか?ww