これはある日の出来事。




修学旅行準備がさかんに行われているときのこと。




「仁美、どうしたの?浮かない顔して」




そう。朝練から帰ってきた仁美はあからさまに元気がなかった。




だから心配で声をかけてみた。




「……え?あーうん。ちょっとね」




えへへと笑いで誤魔化す彼女。





馬鹿ね、親友には無理してるのバレバレなのよ。


「私でよかったら聞くよ」

仁美に微笑みかけた。すると、彼女は泣きそうな顔をして話し出した。