「由佳里」





背後から、私を呼ぶ声が耳に響いた。



「ん?」





「今日はありがと。またな」




彼は別れ際もクールだった。でも、私はいつもの笑顔で笑えた。





いつもは無口でクールな彼。でも、ちゃんと私の気持ち届いたよね。






郁麻と距離が少し縮めることが出来た気がした。






嬉しいな……なーんてね!えへへ!









このときの私の考えは甘かった。





私の心を掻き乱す、そんな存在がいるなんて。