あの日失った想い

一瞬、時が止まった。今の状況を理解するのには少し時間がかかってしまった。





私は彼の温もりに包まれていた。背中には手を回されていて。





郁麻の身体はシュッとしていて、ほどよく筋肉がついていて、男の子なんだなぁと思った。





心臓が最高潮まで達している。緊張のあまりに口から心臓が出てきそうだった。






「由佳里、お前のこの甘ったるい匂いも好きだ」







私、そんな匂いしてるのかな?やばいよ、絶対に顔が真っ赤だよ。








私がじたばた暴れていると、郁麻が腕の力をもっと強めた。








きゃあぁぁぁぁぁ!