あの日失った想い

「俺はどうして、お前を忘れていたんだろうな。1番大切な…惚れた女も憶えておくことが出来ないなんて」



……え…………………………



「今…何て…………?」



郁麻はため息をついて、頭を掻いていた。どうしたんだろう。



「はぁ、1度しか言わないからよく訊けよ?俺はお前が好きだ。中3のときから、お前と出逢ったときからずっと」



どストレートな告白。



郁麻が私を好き?それも、私と逢ったときからなんて……





「本当に?嘘無しで言ってるの?」



恐る恐る訊いた。彼は小さく笑顔を作っていた。



「ふっ、これが嘘だったら俺はそうとうタチ悪い奴だな」




彼が笑った。私の瞳に映る彼はやっぱり容姿端麗でかっこよかった。




涙が溢れすぎて、視界が滲んでいた。嬉しすぎて、心臓が飛び出すかと思ったぐらい。








「由佳里」




「……えっ?」