あの日失った想い

『花咲は何でも平均的に出来るのはいい事だ。だけどな、ずば抜けてすごいと言える能力が1つもないのがなー』




中学のとき、とある先生にぶつけられた言葉。


私は、どうすればいいのだろう……






「佳里………由佳里!!」


「!」


仁美の声でハッとした。私、やっぱり気にしてるんだ。



無意識のうちに頭の片隅に先生の言葉残ってるんだ。




「由佳里、大丈夫?」



「うん。ごめんなさい。ボーっとしてた」




「ふーん。それよりもさ、見てよ!外!」



仁美に連れられて、窓を見た。



私の目に映るのは、どこまでも続く草原と自然。




そうだった。私たち今、春研に行ってるんだった。