あの日失った想い

私は、状況が飲み込めず、何度も何度も黒板を見返した。



キョロキョロしていると、仁美も慌てているのか、あんぐりと口を開けている。



まったく、あなたが一緒になる!って言い出したんでしょ!?



私が苦笑すると、仁美もすぐさま表情を切り替えてクスッと笑った。



「まさか、本当になると思わなかったよ」



今は決まった班で交流タイム。ハルくんもだいぶ驚いている様子だった。




「私もびっくりしたよー?」



仁美がまた苦笑する。



正直を言うと、私もまだ驚きが収まっていない。



私たち4人に本当に縁があったのか、それともただの偶然なのかは分からない。



「これも奇跡だね。春研はよろしくね!」




「うん!絶対最高の思い出つくろ!」


「おう!よろしくな!」



「よろしく」




仁美、ハルくん、郁麻くんの順で一言ずつ言った。






そして、ハルくんと仁美は2人で笑いながら話していた。











そういえば、私、2年生になって郁麻くんの笑った顔見たことないな。