「その笑顔がむかつくの。分かったからとっとと郁ちゃんに会って想いをちゃんと伝えなさいよ」



なーんて彼女は憎まれ口を言いながら、面倒くさそうに私に手をヒラヒラ振っていた。




でも、目が笑っていた。花恋ちゃんの笑顔、初めて見た気がするな。





私は“行ってきます”の代わりに手を振り返した。




花恋さんにも出逢えてよかった。



恋は楽しいことじゃないって彼女から学んだようなものだ。










カフェからでると、やっぱり外は寒かった。










ありったけの想いを抱えて、今から逢いに行きます。




大好きなあなたのもとへ。