2人の話に背中を押してもらったあと、自分の部屋にこもって、考えることにした。



郁麻のこと。告白のこと。




私は、郁麻が記憶喪失だって知ったときからずっと疑問だったことがある。





郁麻は、悲しみを忘れるために、お父さんの存在を記憶の中から消した。





だったら、お父さんは悲しくはないのだろうか。




大好きな息子に、彼が幼い頃、隣にいた自分を忘れられられているなんて。





私がその立場ならきっと天国で泣いちゃう。