もう一度目を開けたときには、彼の温もりは目の前にはなかった。


彼が私から身を外したとき、すごく寂しいと感じた。


彼の顔を見ると、照れくさくってはっきりとは言えなかった。



「ありがとう」








それからは、今日あったことや、仁美とハルのラブラブさの話をしたりして、笑った。



「由佳里。お前にとっての運命ってどういうことだ?」


「えっ?難しいな。んー…………」




私は考えた。頭をフル回転させて頑張ったが、答えは見つからなかった。




「ごめん、分からないよ」


「あ、あぁ。わりぃな突然」


私は笑って誤魔化した。ごめんね。




ふと、思い出した。

私は2人からなぜ郁麻が入院しているのか訊かなければいけなかった。



「郁麻、あなたはどうして入院してるの?」


私が訊ねると、郁麻は少しだけ、ほんの少しだけど険しい顔をした。