「ただいまー」


私はあの後、思わずハルくんと立ち話をしてしまった。

なので、帰りがだいぶ遅くなった。


「おかえりなさい、由佳里」


お母さんが食器を拭きながら私に優しく笑いかけてくれた。


私はお母さんに微笑み返すと、手を洗い、すぐに夜ご飯が用意してあるテーブルについた。



「ねぇ、由佳里。学校はどう?新しいお友達はできた?」

「うん!できたよ!あと……」



私は言葉が詰まってしまった。

郁麻くんのことを話そうとしたのだが、なぜか胸が締め付けられそうになったのだ。


「由佳里?」


「あっ、えへへ〜何でもない!」

私はヘラヘラと誤魔化した。

お母さんはすごく心配性だ。迷惑かけるにはいかない。




お母さん、嘘ついてごめんなさい。




食後にお風呂に入って、すぐにベッドに向かった。










郁麻くん…本当に忘れてしまったの?