あの日失った想い

2人から視線を外しておけばよかった。




即座に逃げておけばよかった。





ねぇ、郁麻はどんな顔をしているの?






私はもう、反射的に2人から目を外すことはできなかった。






次の瞬間、花恋さんが郁麻の唇に触れた。








色気のある、甘いキス……






私は胸のあたりが痛すぎて、ぎゅっと洋服を掴む。







鳴り止まない心臓を抑えるために。