あの日失った想い

「当たり前じゃない。言ったでしょう?あたしにはあなただけだって」




私は俯いた。





2人は幼なじみだ。花恋さんはきっと私の知らない郁麻をたくさん知っているはず。






だって、ずっと一緒にいたんだもん。






下を向いていた顔をもう一度上げて、2人を見る。

















何で、顔を上げたのだろう。見ない方がよかった。







花恋さんは郁麻の背中に手を回していて、全体重を郁麻に預けていた。






私の心に変な黒いものが溜まっていく。