あの日失った想い

「私、ちょっとそこ見てくるね」




と、郁麻に言い残し、家族へのお土産を見に行った。




やっぱり!京都と言ったら八ツ橋と茶のかだよねー♪


いい値段はしたけど、たくさん買えた。
お母さんとお父さん絶対に喜ぶよ。




鼻歌を歌いながら、彼の元へ戻った。




………が、予想外の光景が私の瞳に写った。




「郁ちゃんも修学旅行だったんだね!会えてうれしい」





どくんと心臓が嫌な音を立てる。





なんで…………?





仁美にも負けないぐらい可愛らしい容姿に、愛しそうに彼の名を呼ぶ女の子。





そう、花恋さんだ。