あの日失った想い

「ありがとう。私のこと思い出さなかったら許さないんだから!」




私は郁麻の前に立ち、意地悪く戯けて笑った。




「はっ、なんだよそれ」







彼は少しだけ苦笑して、私の涙を拭ってくれた。





















ねぇ、神様。




私は真面目でしょう。努力してきたでしょう。





最初は最悪の再開をした彼と、こんなにも元に戻れたんだから。




すごく褒めて欲しい。





でも、この世界はずるくないですか?





真面目な私がバカを見て、ずるい人がいい思いをするなんて、理不尽じゃありませんか?










私は真面目だ。何十分後かの最悪な出来事に出会うまでは………