恋物語は永遠を

-----

「で、お望み通り来てあげたわよ、薫。」

「有難うございます。手間をおかけして、すみませんね。」

「だったら、こんな遠い場所に呼ばないでよ。で、何の用?何でもないとかだったら、ただで済ませないわよ。」

「分かってます。」

そう言ってニコリと微笑むと、ジャケットの内ポケットに入れたある物を片手に掴んだ。

「率直にごめんあそばせ。あなたにどうしても申したいことがあるのよ。」

神経を逆立てないよう、慎重に、丁寧な言葉遣いで話す。