「アコちゃんは、あの人の瞳に映ることができるんだから」

きらきらと輝く大きな両の瞳にはうっすらと涙が浮かぶ。あの人を想う、純粋で汚れのないまっすぐな彼女。
私にはまぶしすぎた。彼女の存在自体が。溢れる想いが。
まっすぐな眼差しを、一生届くはずのない愛を、揺るぎなく注ぎ続ける、無垢で綺麗な唯一無二の親友。

自分と対照的な彼女の姿をこんなにも羨ましく、時折妬ましさの混じった想いで見つめることになるとは思いもしなかった。親友として、彼女の想いが届かないことをともに悲しむべきなのに、彼女が伝えられないということに安堵している自分がいた。

ああ、私はこんなにも汚れているんだ。
彼女のように透き通った涙を流すことは叶わない。そんな自分がひどく醜い生き物のように思える。

「 エコ。あなたに頼らずに、私が自分で選んだ選択は、間違ってなかった?」

誰もいない空間に投げかけた問いの答えは、いつになっても返って来ることはなかった……。