のぞみんHBD!!!

*この小説はフィクションです
*なぜ(仮)なのかは読んでいただいてからのお楽しみです( *´艸`)


のぞみ視点

五月の心地よい風が頬を撫で、髪をさらっていく


「ふぅ…」


起きた時からひっきりなしに鳴り続けた通知音


ようやく止まったと思ったのはついさっき、もう日も傾きだした夕刻だった


高台の丘に置かれたベンチに腰かけて、ふと空を見た


「誕生日…かぁ」


そのつぶやきの瞬間、目の前は真っ暗に・・・・!?


でも、目を瞑ったわけでもないし、自分の手を目の前に出せばはっきりとその形をとらえることもできた


『驚かせてしまってすみません』


「⁉」


ばっと振り向くと、見慣れた長身の藍色の髪の彼


『あぁぁっ、気を遠くしないでください!!』


ふっと手放しかけた意識をなんとか引き戻す


いや、だって普段画面の向こう、というか会えるはずもない人物が目の前に立ってるんだよ⁉

誰だって気を遠くしかけるでしょ!


『どうしても、今日は直接伝えたかったので…』


「…な、なに、かな?」


普段彼と喋ることなんてないから、どうすればよいのやら…


『お誕生日、おめでとうございます。これからもよろしくおねがいしますね』


「…っ」


口を開きかけたそのとき


「のぞみん!」


ぱちっと場面は入れ替わって、元の場所


「大丈夫?なんか冷や汗かいてるけど」


「はななん…?」


「ん?どしたの」


ハンカチを差し出して、そのまま隣に腰かけた彼女はきょとんとした顔


「んーんっなんでもない!」


今日の出来事は私だけの秘密にしておこう


18の誕生日の記念として


「そっか!じゃ、帰ろ~」


両手でぐんっと私の右手を引っ張って駆け出した彼女


さぁ、新しい一年の始まりです!!


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のぞみんハッピーバースデイ!!