あげはは咲子の帰りを待っていた。

「ただいま」

咲子が疲れた顔をして帰って来た。

「お姉ちゃん」

あげは咲子の手を引っ張り
自分の部屋に連れて行った。

「あげはどうしたの」

あげは咲子の顔をじっと見て

「ねぇ、智也と付き合ってるんでしょ」

「あげは知ってたの?」

「智也に聞いた。」

「さっき、一緒に居た男の人誰」

咲子はあげはから顔をそむけて

「あの人は事務所の社長よ。
 何か勘違いしてるみたいだけど
 大丈夫よ。」

あげはは泣きそうな顔で…

「何で。智也なの。どうして…」

何も悪くない。咲子につい感情を
ぶつけてしまった…

「あげは、智也の事好きなのよね
 ごめんなさいね。」

微笑みながら言う咲子に
あげはは全てが見透かされいるようで、
そんなふうに言う咲子の事が
嫌いになっていった。