だけどどこかで2人は似ていると思った


菅田にひどいこと言ったよな。
「騙された」とか。


最低だよな。
菅田は母親がいない俺に優しくしてくれたのに。


悔しかったんだ。
あんなに紗江子と近い距離でいたのに何にも言ってくれなかった。


だからついあんなことを……


言わなきゃよかった。
言わなかったら今も菅田は俺に笑顔を見せてくれていたかもしれないのに……


あの日が最後の会話になるなんて思いもしなかった。


菅田がまためげずに声をかけてくれるものと思っていたから。


だが、菅田は声をかけるどころか俺を避け続けた。


謝りたかった。
謝れないまま2年に進級するなんて……


「三澤?」


家の前に着くと背の高い人影。


「敦、ちょっといいか?」

いつもヘラヘラ笑っている三澤。
だけど今日は真剣な顔つきで俺を凝視していた。