好きなのかって。
もしかして好きな子の話?


まだ先生は来てないみたいで敦のクラスはガヤガヤと騒がしかった。


「なんだよ。急に。」

「いやー、どんな子かなーって!」

ノリノリで聞いてくる友達に敦はため息をつきながら言った。


「他校の奴だよ。ま、完全に俺の片想いだけどあいつだけは諦めるつもりねーから。」


動けなかった……


諦めるつもりはないんだ……
完全な脈なし。


敦はその子しか見えていないんだ。


あたしの中に黒い感情が湧き出る。


「ずるいよ……」


隠れながら小さな声で呟くあたし。