綾人は階段を上がり、自分の部屋に入ると出したままの漫画を本棚に入れ、机の上に散らばった教科書を申し訳程度に整える。


見られて困るようなものは持ってないし、こんなもんで大丈夫だろう。


上がってきた千華を部屋に招き入れる。


「今日ウエイトで汗だくになったから、悪いけどちょっとシャワー浴びてくるわ。すぐあがるから適当に待ってて」


「うん」


部屋で待たせるのも気が引けるが、汗臭いままでいるよりはましだろう。


シャワーを浴びながら綾人は自分の部屋に千華がいるという事実に叫び出したい気分だった。