店内に入ると私は驚きのあまり動けなくなった。


部屋のそこら中に沢山の宝石があるからだ。


一つ一つ、丁寧にショーケースに入れられた宝石達は綺麗な光沢を放っている。


よく見るとショーケースには英語で宝石の名前が書かれている。


「この宝石は"Celestite"(セレスタイト)で、こっちが"larimar"(ラリマー)?」


全然、知らないや。それにしてもこんなに沢山の宝石があるなんて。


少し宝石に興味が湧きお店中を見ていると10歳くらいの男の子が体よりも少し大きな本を持って私の背後に立っていた。


金色の髪にサファイアのような瞳。


生気の感じられない目でこちらを見据えている。