16さい春____

わたし、吉崎優香は今日から白神学園の高校1年生。
「制服OK、髪もOK。」
洗面所の前で何回も何回も制服と髪を見直して、ものすごく気合いが入っています。
なぜなら
今日からの高校生活では私の王子様を見つけたいからなのです!!
中学生の時は大失恋をしたので、高校では絶対に王子様を見つけてみせる!!


そして、入学式。
「みーちゃん、またよろしくね」
「こちらこそよろしく。
優香とまた同じクラスでうれしーな
ぁーー♡」
みーちゃんこと、大崎美幌ちゃんはわたしの一番の親友。
「しかも、あの松原ヒナタくんも同じ
クラスだもんねーー♡」
「え、だれ??」
「なに?優香知らないの??
新入生代表のあいさつをしてた子
よー!!」
「寝てて、分からないよーー」
「あの席にいる男子よ!!
めちゃくちゃイケメンでしょ??
おまけに優しくて、
本物の王子様みたいよー」
みっちゃんが指した先にいる男子は女子に囲まれているし、やばいかっこいい……優しい笑顔が特徴的なイケメンくんでまぢでかっいい。
「うわ、かっこいーーーー♡♡」
「ゆーかーちゃんーー??
もぉ、これは恋の落ちただろ??」
「え、な、な、な、なんで??」
「顔が赤くてニヤけてるぞー」
「んだ、ちょっとやめてよッ」
「照れなくていーのよぉー!!」
だって、あんなイケメン見たらにやけるしかないでしょ!!
あんな王子様みたいな人と同じクラスだなんて、この先やばいーーーー。

「どけっ!!」
ちょ、まぢ誰??なんなのその言い方。ちょっと意味わかんないんだけど。
「ちょっとゆーか、大丈夫??」
「うん、全然!!」
どけっ!!ぢゃなくてもっとやさしくいえばいーのに。
「今の人があのヒナタクンの双子の弟だ
よー。
松原ヒロトッテ言うんだって!!」
え?双子の弟?
顔はそっくりだけど、もっとヒナタクンみたいに優しい笑顔くらいすればいーのに……。
いくら、ヒナタクンの双子の弟だからって無理だわ。

やっぱし、ヒナタクンみたいな超絶優しい笑顔の王子様じゃないとねーーー♡♡