タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~

そう話をしているとバスが来た

バスに乗ろうと移動し始めると後ろの方から聞き覚えのある声が聞こえた


「電車また止まったから、乗ろうと思ってた奴は教室戻れ~」


隣で「うわ、可哀相やな~災難やで」と言っているナコの隣で私は後ろを振り返った


あの声は…そう先生


私たちの隣を過ぎてゆく先生を横目に私はバスに乗り込んだ

「さようなら」と声を掛ける事も出来たけれど、私は掛けなかった

話したいけど、何だか話せなかった

どうしてだか自分でも分からない

でも話したら、想いがもう溢れ出してしまう気がしたからかもしれない