「分からなくても良いんじゃねぇの?」


その言葉に私は彼を見つめ返した

彼も人の良さそうな顔をして私を見つめている


「ってか、俺とか浪人してるんですけど…。その上、自分の事なんてよく分かんねぇし」


食べ終わった彼は、水を飲みながら、若干自虐的に述べる


「だーかーら、分かんなくて良いんじゃね?人生そんなもんだって」


そう言って笑う彼を見て、私は頬が緩むのを感じた


「よし、元通りになったな。なぁ俺他に聞きたい話あるんだよね」
「違う話?」

振りまわされているのか、救われているのか不思議な気分になる


「俺さ、あの宗教だらけの学校興味あるんだよね。私学ってすごい!みたいな。……卒業式とかってどんなの?」