その人は春の寂しげな温度をまとった小さい花の様な人だった。

いつも隅で本を読んでいたり次の授業の予習をしたり。

ほとんどの人は興味のなさそうにいないふりをするけれどどうしても気になり目で追ってしまう。


「那月! 何してんの? 早くご飯食べようよ」

「あ、うん今行く」


この気持ちをなんて呼ぶんだろう。