「くれぐれも頼んだぞ」

という土方の内命を受けて、岸島は部下の徳田や武具方の芦名、旗奉行の尾関などと共に新撰組のいわゆる資本力がどの程度かを調べ始めた。

金子そのものは大丸の紹介で両替商に預けてあり、そこを訊ねれば金額はすぐに分かる。

武具も、だいたいの数だけはすぐ判明した。

あとは。

両替商に預けてない金子の額である。

これは最初の屯所があった八木家の縁で寺の倉に預けおいてあり、

「誰も手をつけてなければあるはずだ」

と言ったが、実際に調べてみると、かなり金子が消えていることが発覚したのである。