山本が辞去したのち、

「…岸島くん」

「はっ」

「さきの話、くれぐれも他言は無用のこと」

「はっ」

「これが仮に公儀に筒抜けとなれば、我らが疑われたと一緒」

それゆえ、ぬかりなくやるように──と土方は立った。