「離して」

「離しても良いけど」

「じゃ、離してよ」

「靴くらい履けよ」


・・・忘れてた。

あたしはムッとしながら、荷物を置いてた場所へと戻る。


「麗香」

「何」

「そのままで居ろ」


は?意味わかんない。


「俺だけ見てれば良いんだよ」


何、その台詞。

そう思うのに・・・

それだけで満たされてしまうあたしは、相当充に惚れ込んでしまっているようだ。


「ほら、帰るぞ」


充の言葉に、反抗できない自分が悔しい。

だけど充から離れたくない気持ちの方が大きくて、結局あたしは充の言葉に従ってしまう。

あたしは、バカな女だ。

そんな女になるくらい、あたしは充が好きで仕方ない。