無口な彼の愛し方

「大丈夫?」


ふと聞こえた声に顔を上げると、そこに充が居た。


「・・・有村くん」


充の顔を見たら、なぜかふっと気持ちが楽になる。


「うん!有村くんの顔見たら、何だか吹っ切れた」


あたしは笑いながら、充にピースサインを向ける。


「頑張って」

「ありがとう。行ってきます」


そして、あたしは試合に臨んだ。

いつも以上にシュートも決まってたし、みんなだって良い動きが出来てたと思う。

でも、あたし達は負けた。

接戦の接戦で、点差はたった1点。

でも、その1点であたし達は負けた。

高校に入ってから、3年間。

部活を休む日なんてなかった。

部活に生きてたような、高校生活。

その部活が、終わった。