無口な彼の愛し方

だけど、それは必ず負けるチームがあると言うことで・・・

それがうちの学校か、有村くんの学校かわからないけど、どっちが勝っても負けてもあたしは泣くんだろうな。


「そう、じゃなくて」

「え?」

「いや、いい。じゃ、また」


そう言い、充は帰って行った。

高校総体に向け、練習は厳しくなる。

部活が終われば、みんなクタクタに疲れ切っていた。

だから充とロクに話すことが無いまま月日は流れ、あっという間に高校総体の日を迎えた。

うちの学校は男子、女子とも順当に勝ち進み、決勝まで行った。

決勝戦は一つの体育館で行われ、午前は女子、午後は男子に分けて行う。

後、一つ勝てば優勝。

期待と不安が襲い、緊張で震える。