無口な彼の愛し方

「時間、大丈夫?」


そんなあたしに気付いたのか、充が尋ねる。


「あ・・・うん、、そろそろヤバイかも」

「送る」

「ありがとう」


あたしは充の言葉に甘え、送ってもらうことにした。


「有村くんは、進学?就職?」

「進学」

「そっか。一緒だね。でもあたし頭良くないし、バスケばっかしてたから、結構キツい」


あたしは、苦笑いを零す。


「どこの大学?」

「一応C大。有村くんは?」

「決めてない」

「決めてないってことは、選べるだけあるんだね。羨ましい」


もし充と同じ大学に行けたら、もっと一緒に居られるのに・・・

そう思ってしまったあたしは、もう充のことが好きだった。