誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。




「真琴ー!!やぁっと終わったぁー……。」



「……お疲れ。じゃあ、コレあげる。」



「うわぁー!クレープだぁ!ありがとう!!」



頬張る楽はやはりそこら辺の女子より可愛い……。



「楽、いっそその格好で午後回ったら?」



「それは嫌だ!!絶対着替えるもん!!」



「えぇ、つまんないなぁ。」



「面白くないからね!?桜悠くんのバカ!!」



涙目になりながら着替えにいった楽。



「……あまりからかうな。」



「フフッ、ついね。来都が何も言わないから俺が代わりにからかってるんだよ。」



二倍……桜悠の二倍はキツいな……。



「あ、真琴の時は普通だから安心して。」



「……そうあることを願うよ。」



逆にそうじゃなきゃ返しようがない。










「ねぇねぇ、まずはどこから行くー!?」



「そうだね、お化け屋敷とか?」



「……おい、最初からそれはおかしいだろ。」



ねぇ……この空気でよく会話出来るな。



廊下を歩くと自然に道が出来て、歓声や視線に包まれる。



男子からは尊敬の眼差し、女子からは好意の眼差し。



それらを全て無視して自分たちの空間を作り上げるこの3人は、もはや天才としか言いようがない。



私なんか、誰だ?みたいな視線が多いけれど。



「ねぇ、真琴は何がいいと思うー?」



「……オムそばがいい。」



「……お前……やっぱりオムライス好きだろ。」



「……別に。」



子供扱いされるのは癪に障るから、好きなんて言わない。



「じゃあ、まずはそれからいこうか。
というか……そもそもオムそば売ってるところなんてあるのかな?」



「えーないんじゃないー?」



「……2年が売ってる。」



「……調査済みか。」



たまたま目に入っただけだし。



調べたわけじゃないし。



「フフッ、じゃあ午後は楽しもうか。」