誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。




(黒鮫side)



「ヒィィィィィッ!!!!」



ターゲットは終われるように走り続け、遂に壁に追い込まれた。



「た、た、た、助けてくれ……ッ!!」



「えぇ?殺し屋に助けてぇとかバカなんじゃないのぅ?
アンタは今からボクにぃ殺されちゃうんだよぅ?ねぇー?」



〈はい。貴方はバカです。〉



1匹の黒兎が、黒鮫の肩に乗った。



「じゃあーやっちゃうよぅ。
ねぇ〜?サラ。」



〈分かりました。〉



暗闇に光る黒兎。



黒兎は大きく口を開け、水球を生み出した。



それを黒鮫は手の平で弄ぶ。










「じゃあ……溺死してねぇ。」



そして大きく膨らんだ水球はターゲットを閉じ込め、呼吸を奪った。










「あ〜ぁ、今日もつまらなかったなぁ。」



〈最近殺しすぎではありませんか?〉



「えぇ〜そうかなぁ?
でも……ボクはこの季節が嫌いなんだぁ。
暑くも寒くもない秋っていう季節がねぇ。」



〈なぜですか?〉



「どうしても……人を殺したい衝動に駆られるんだぁ。」



内側からふつふつと血が沸き上がるようで。



まるで自分がマグマにでもなったみたいになる。



原因も理由もとっくに理解している。



だから止めようとすることを諦めた。



殺したいだけ殺せばいい。




その分の苦しみもまとめてあの日の罰だ。



罰を受けるためにボクは殺し屋になったのだから。



end