誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。




第一神賢者の私とビビ。



第二神賢者の来都とシヴァ。



第三神賢者の桜悠と帝。



そして……第五神賢者の皇帝とセイ。



私が知っているのは7人中……4人。



私は命と話す力で桜悠は風を操る力。



来都のはまだ見たことないけれど……絶対に違う。



来都がそんなことするわけない。



となると、あと1人。



「……心当たりがないわけじゃない。
でも、その人も違うと思う。」



「なんでだよ?」



皇帝はどこか楽しんでいるようだったが、1つの芯があった。



それが達成されるまでどんなことでもするという感じだったけれど、今回の事件はあまりにも面倒くさ過ぎる。



そんな無駄なことは、皇帝ならきっとしない。



「真琴くんにも心当たりがないとなると……まずはそこからだね。」



「神賢者探しか……。そりゃあ難しいな。」



「そうでもないよ。
こっちには真琴くんがいる。
真琴くんは、使徒のテレパシーに干渉出来るからね。」



確かに、他の使徒とテレパシーが出来るのは私だけ。



「……なら、探せるのは俺だけか。」



「そうなるね。でも、無理だけはしないでくれ。
神賢者同士の戦いはきっと普通の戦闘の比じゃない。」



「……分かった。」



ひとまずは神賢者である犯人探しを、仕事と並行して行うことになった。



静かになってしまった空間に、少し呼吸をするのが重く感じる。



それは……話そうか迷っているからだ。



皇帝と会ったこと、あの学校に殺し屋がいること。



でも、それを話してしまったら……巻き込んでしまう。



もう充分燐理と由樹さんを巻き込んでしまったのに。



これ以上私のことに巻き込みたくない……。



「どうかしたの?真琴くん。」



「お前、今日ボケーっとしすぎじゃねぇか?」



きっとこの2人はそんなこと無視して私を支えてくれる。



でも、それじゃもうダメなんだ。










「……ううん、何でもない。」



そろそろ決着をつけないといけないんだ……。