そして、追い討ちをかけるように1つの事件の幕が上がった。
「……溺死?」
「あぁ。そこらじゅうで被害が拡大しちまってる。」
いつものbarに私と燐理と由樹さんはいた。
集まった理由は、最近多発している溺死事件について。
海も湖も池もないこの街で溺死することなんて稀にしかない。
それがここ最近頻繁に、しかも街中で起こっている。
「情報を集めてはいるんだけど……これ、多分殺し屋の仕業だと思うよ。」
忙しそうにパソコンを弄りながら、苦々しく言う由樹さん。
最近はずっとパソコンに張り付いて調べてくれている。
「そのうち、俺たちの依頼主にまで被害が及ぶぞ。」
「……それだけは、何としても避けなきゃいけない。」
その事件の被害者の殆どは、殺し屋に狙われている人物たちだった。
だが、ここまで……我武者羅に人を殺しにかかることはなかった。
そして、この不可解な殺し方。
そんなの思い出す限り、1つしかない。
「……神賢者。」
「契約者と使徒かぁ。
また厄介なのが出てきたね。」
ふと浮かぶ音楽室での光景。
不敵に笑う皇帝と黒犬のセイ……。
「……ッ!!」
ダメだ、思い出すな……ッ
思い出して壊れれば、皇帝の思うツボだ。
「おい、大丈夫か?」
「……うん。」
「今、真琴くんが知っている神賢者の中に今回の犯人らしき人はいる?」
私が知っている神賢者……。

