日曜日、お洒落をして出かける麗子。
歩きだそうとすると、颯太が外で待っていた。
「あ、風太おはよ。見送ってくれるの?」
「ちげーよ、忘れもん届けにきたんだよ。これ!」
昨日寝る前に、見せたメッセージ。あいしてるの下には。
「遅くなったら絶対許さねえ」
「読むんじゃねーよ」
隙間には、怒っているキャラクターの絵が描いてある。
「あれ?風太って絵描くの上手だったっけ?」
「お前、知らなかったのかよ。彼女失格」
「そんなこと言わないでよ」
風太は後ろから麗子を抱きしめる。
「早く帰って来いよ」
麗子のうなじにキスした。
「あっ」
「なんだよ」
「たまと遊んでて」
「分かったよ」
「じゃあね」
楽しそうな麗子、寂しそうな風太だった。
「たまー、ちょっと来いよ!」
「にゃあ」
風太に近づいてくる。
「お前は俺と一緒にいてくれるよな」
とたまを抱き上げ頭を撫でると。
「にゃあー」
風太の腕から逃げてしまう。
「お前まで行っちゃうのかよ...」
その頃、麗子は蓮と会って水族館に向かっていた。
「麗子ちゃん?」
「ん?」
「今日は敬語禁止な」
「うん、分かった」
蓮は、麗子の頭をぽんぽんする。
水族館に着いた2人。
「どれから見る?」
「イルカのショーみたい!」
「よし、行こう!」
日曜日とあって、家族連れやカップルが目立つ。席に着いたら、場内のアナウンスが流れてショーが始まる。
イルカを調教するトレーナーの人達が、5頭のイルカを紹介している。
「イルカは人間のことばを理解できないので、ジェスチャーや合図でイルカにサインを送っています。イルカの目を見ることが大事です」
「へえー、そうなんだ」
「なるほど」
トレーナーがお客さんに、イルカの合図を出したい人を聞いている。子供達は、一斉に手を挙げる。
「はーい、僕やりたい!」
「私もー!」
「じゃあ、一番前にいるピンクのセーターを着た女の子」
女子中学生は前に出てくる。
「ウォーミングアップで首輪左右に動かします。そうですね、じゃあ、やってみましょう」
その子がやるとイルカも真似する。
ちょっと派手に動かしたので、場内から笑いがおこる。
「あはははは!可愛い、おりこうね」
「ほんとにな」
次は合図でイルカをジャンプさせる。
「わあー、すげー!」
「おりこうさんだね、イルカ」
子供達も喜んでいる。
その後は、トレーナーがイルカの上に乗って泳ぐ。
「イルカって早いね」
「ああ、生き物を調教するって大変だよな」
イルカ達は、トレーナーの合図でひねりながらジャンプしたり、バック転をしてその度歓声が上がった。
ショーも終わりになり、5頭のイルカ達は、尾びれでバイバイをしている。
子供達もイルカに向かって、手を振っている。
「ショー楽しかったね」
「ほんと、可愛いかったな。でも、麗子ちゃんのが一番だけどね」
「もう、やだあ!蓮くん」
真っ赤になる麗子。
「次は、魚見ようか」
「うん」
小さい水槽の中で泳ぐクラゲを見る。
「蓮くん!ちょっと、見て。このクラゲすごい光ってて綺麗」
「そうだな、一生懸命泳いでるとこ。可愛い」
大水槽に移る。
「この大きい水槽、いろんな魚がいるね。イワシの大群に、サメもいるし、エイも。顔が可愛い」
とキラキラした目で見てる麗子が、急に愛しくなった。
「麗子ちゃん?」
「ん?」
振り向いたら蓮くんにキスされた。
「ん...」
出口に近づいて。
「ちょっとベンチでも座ろうか」
「うん」
近くにベンチがあって2人座る。
そして蓮は。
「俺は、最初から麗子ちゃんが好きだ。抱っこしてる時も保健室にいる時も。その後もずつと、頭から君が離れてくれないんだ」
蓮は、麗子の唇に長いキスをしてしまう。
その時、ちょうど近くに2人のキスシーンを見てしまった人達がいた。
「ねえねえ、あそこのベンチでキスしてるのって宇多野先輩と抱っこされちゃった子じゃない?」
「えっ、嘘!ほんとに?」
「そうだよ、なんで先輩といるの?あの子だけいい思いしてずるいよね、腹立つ!」
ご機嫌ななめな人達は。聖華高校女子テニス部の2年生と、1年の九条里美だった。
「ずるいよ、蓮くん。2回もキスしといて、私が頭から離れてくれないって私のせいにしてる」
「一度好きになったら嫌いになんてなれないよ」
「えっ?」
「俺はいつでも麗子ちゃんのそばにいたい」
「気持ちは嬉しいけど、私は風太のこと愛してるの」
麗子は来る時、風太が書いた紙を見せる。
「あいしてる、遅くなったら絶対許さねえ...か」
「うん」
「安良城、麗子ちゃんのこと本気なんだな」
「そうみたい。狂ったように言ってる」
「俺は、諦めないから」
蓮は、さりげなく麗子の手を出しそっと繋ぐ。その瞬間を写真に撮られたとは知らない2人だった。
歩きだそうとすると、颯太が外で待っていた。
「あ、風太おはよ。見送ってくれるの?」
「ちげーよ、忘れもん届けにきたんだよ。これ!」
昨日寝る前に、見せたメッセージ。あいしてるの下には。
「遅くなったら絶対許さねえ」
「読むんじゃねーよ」
隙間には、怒っているキャラクターの絵が描いてある。
「あれ?風太って絵描くの上手だったっけ?」
「お前、知らなかったのかよ。彼女失格」
「そんなこと言わないでよ」
風太は後ろから麗子を抱きしめる。
「早く帰って来いよ」
麗子のうなじにキスした。
「あっ」
「なんだよ」
「たまと遊んでて」
「分かったよ」
「じゃあね」
楽しそうな麗子、寂しそうな風太だった。
「たまー、ちょっと来いよ!」
「にゃあ」
風太に近づいてくる。
「お前は俺と一緒にいてくれるよな」
とたまを抱き上げ頭を撫でると。
「にゃあー」
風太の腕から逃げてしまう。
「お前まで行っちゃうのかよ...」
その頃、麗子は蓮と会って水族館に向かっていた。
「麗子ちゃん?」
「ん?」
「今日は敬語禁止な」
「うん、分かった」
蓮は、麗子の頭をぽんぽんする。
水族館に着いた2人。
「どれから見る?」
「イルカのショーみたい!」
「よし、行こう!」
日曜日とあって、家族連れやカップルが目立つ。席に着いたら、場内のアナウンスが流れてショーが始まる。
イルカを調教するトレーナーの人達が、5頭のイルカを紹介している。
「イルカは人間のことばを理解できないので、ジェスチャーや合図でイルカにサインを送っています。イルカの目を見ることが大事です」
「へえー、そうなんだ」
「なるほど」
トレーナーがお客さんに、イルカの合図を出したい人を聞いている。子供達は、一斉に手を挙げる。
「はーい、僕やりたい!」
「私もー!」
「じゃあ、一番前にいるピンクのセーターを着た女の子」
女子中学生は前に出てくる。
「ウォーミングアップで首輪左右に動かします。そうですね、じゃあ、やってみましょう」
その子がやるとイルカも真似する。
ちょっと派手に動かしたので、場内から笑いがおこる。
「あはははは!可愛い、おりこうね」
「ほんとにな」
次は合図でイルカをジャンプさせる。
「わあー、すげー!」
「おりこうさんだね、イルカ」
子供達も喜んでいる。
その後は、トレーナーがイルカの上に乗って泳ぐ。
「イルカって早いね」
「ああ、生き物を調教するって大変だよな」
イルカ達は、トレーナーの合図でひねりながらジャンプしたり、バック転をしてその度歓声が上がった。
ショーも終わりになり、5頭のイルカ達は、尾びれでバイバイをしている。
子供達もイルカに向かって、手を振っている。
「ショー楽しかったね」
「ほんと、可愛いかったな。でも、麗子ちゃんのが一番だけどね」
「もう、やだあ!蓮くん」
真っ赤になる麗子。
「次は、魚見ようか」
「うん」
小さい水槽の中で泳ぐクラゲを見る。
「蓮くん!ちょっと、見て。このクラゲすごい光ってて綺麗」
「そうだな、一生懸命泳いでるとこ。可愛い」
大水槽に移る。
「この大きい水槽、いろんな魚がいるね。イワシの大群に、サメもいるし、エイも。顔が可愛い」
とキラキラした目で見てる麗子が、急に愛しくなった。
「麗子ちゃん?」
「ん?」
振り向いたら蓮くんにキスされた。
「ん...」
出口に近づいて。
「ちょっとベンチでも座ろうか」
「うん」
近くにベンチがあって2人座る。
そして蓮は。
「俺は、最初から麗子ちゃんが好きだ。抱っこしてる時も保健室にいる時も。その後もずつと、頭から君が離れてくれないんだ」
蓮は、麗子の唇に長いキスをしてしまう。
その時、ちょうど近くに2人のキスシーンを見てしまった人達がいた。
「ねえねえ、あそこのベンチでキスしてるのって宇多野先輩と抱っこされちゃった子じゃない?」
「えっ、嘘!ほんとに?」
「そうだよ、なんで先輩といるの?あの子だけいい思いしてずるいよね、腹立つ!」
ご機嫌ななめな人達は。聖華高校女子テニス部の2年生と、1年の九条里美だった。
「ずるいよ、蓮くん。2回もキスしといて、私が頭から離れてくれないって私のせいにしてる」
「一度好きになったら嫌いになんてなれないよ」
「えっ?」
「俺はいつでも麗子ちゃんのそばにいたい」
「気持ちは嬉しいけど、私は風太のこと愛してるの」
麗子は来る時、風太が書いた紙を見せる。
「あいしてる、遅くなったら絶対許さねえ...か」
「うん」
「安良城、麗子ちゃんのこと本気なんだな」
「そうみたい。狂ったように言ってる」
「俺は、諦めないから」
蓮は、さりげなく麗子の手を出しそっと繋ぐ。その瞬間を写真に撮られたとは知らない2人だった。